2018年3月1日木曜日

雑誌出版の闇

最近は知名度も上がったpredatory journals,所謂ハゲタカ雑誌と呼ばれるものですが,それ以外にも実態が怪しい国際シンポジウムなどからの勧誘メールが頻繁に来ます.今年になって特に多くなった気がします.

少し興味があったので,ほとんど実態がなさそうな国際シンポジウムのコミッティーメンバーの一人について調べてみました.

まずはオンライン雑誌のエディターの紹介記事
https://www.omicsonline.org/editor-profile/Dr_Alireza_Heidari/

ここではSouth California Universityのポスドクとなっていますが,教授バージョンのウェブサイトも沢山あります.無数の雑誌のエディターとして名前が出てきます.写真の背景にはアカデミック感が漂っていますが,オフィスというより図書館で撮った写真に見えます.

ちなみに,South California Universityという大学をサーチすると,
http://calsu.us/
所謂ディプロマ・ミルと呼ばれる,実態のない大学のようです.

更に怪しいのがGoogle Scholarでの業績,
https://scholar.google.com/citations?user=2yKnXwYAAAAJ&hl=en

2017年に1000回弱論文が引用をされていると出ているのですが,個々の論文の引用数をどう足しても1000回にはほど遠いようです.

predatory journalsへの出版についてNIHも警告を発しているようです.公的な研究費を使って怪しい雑誌に論文を出すことは極力避けるべきでしょう.
https://grants.nih.gov/grants/guide/notice-files/NOT-OD-18-011.html

世の中の闇を見たような気がします.