2012年3月30日金曜日

OBC8

岡崎で行われたOBC8に参加してきました.かなり豪華な参加者が集まり,非常にためになる研究会でした.

ゲノム研究と生態学をうまく取り入れた発表が多く,良い研究がたくさんありました.

自分でどういう研究ができるのか,またどういった研究には興味がないのかを確認するいい機会になりましたので,とても意義のある参加だったと思います.

2012年3月1日木曜日

Strict evolutionary conservation followed rapid gene loss on human and rhesus Y chromosomes

Natureの記事です

アカゲザルのゲノム配列はずいぶん昔から大体は決まっていましたが,研究に使われた個体はメスだったので,Y染色体については解読がされていませんでした.

そこでY染色体の配列を決めたところ,ヒトとアカゲザルのY染色体上の遺伝子は比較的よく保存されていて,Y染色体ができてから起こった急速な遺伝子の脱落は止まっているようだということです.また,ヒトやチンパンジーのY染色体は巨大な反復配列があったりして複雑な構造を取っているのですが,そういったものは少ないそうです.

Y染色体から遺伝子がなくなっているのを見て,よく「そのうち男はいなくなる」といった誤解がされているようですが,別にY染色体がなくなっても性決定システムがなくなるとは限らないので,そういった心配をする必要はないかと思います.ただ,Y染色体にはsexual antagonismにより「男らしさを決める遺伝子」が残っているという説もあります.

研究者としては,アカゲザルのY染色体が読まれていないのは困ったことでしたので, 解析された配列はヒトのゲノム進化を知る良いリソースになるのではと思います.