2008年3月30日日曜日

シンポジウムとダーウィン展

先週末は東京で遺伝研のシンポジウムに出席してきました.留学したラボのボスが来たので会いに行くのも目的の一つでした.いやはや元気な方ですが,いろいろと勉強にもなります.2,3か月こっちに来て仕事をしないかと簡単に言ってきますが,日本での仕事を考えると無理な話.相変わらず無茶を言います.

シンポジウムの翌日は休みだったので上野公園の科学博物館でやってるダーウィン展を見てきました.
生でゾウガメが見られたので満足.いつかガラパゴスに行ってみたいですが,あそこも観光客で荒らされてしまったところが多いので複雑な気分です.

公園は桜のシーズンでお花見客があふれていました.

2008年3月19日水曜日

Author contribution

とある論文を読んでいてふと思ったこと.

最近は,著者の責任と役割を明確にするために,Authors' contributionsというものを明記させる論文が増えました.たとえば,Aさんは実験をして,Bさんは研究をデザインして,Cさんが論文を書いた,みたいな感じです.

その論文は責任著者が大学の教授,筆頭著者がたぶん学生さんか何かだと思うんですが,論文を書いたのも研究をデザインしたのも教授ということになっていて,筆頭の人は実験をしただけという記述になっています.

やはりサイエンスは論文としてきちんと形にするまでがサイエンスであって,先生が大幅に直すにしろ,きちんと学生に論文を書くように指導すべきだと思います.それできちんと貢献度にも加えてあげるほうが良いのではないでしょうか.逆に言うと,研究計画にも執筆にも関わっていないのにファーストオーサーってのは批判の対象になるかもしれません.まあ,ふつうそこまでは細かく読まないですが,学位審査なんかには重要ですよね.

2008年12月18日追記

自分のケースでは,ポスドクの時にボスに論文を書けと言われて急いで書いたのですが,「うん,いいね.じゃあ同じ感じで書き直しておくよ」と言ってボスの原稿に差し替えられました.

どうして使わない原稿を書かせるのか?僕は聞きませんでしたが,間違いなく「ポスドクを満足させるため」と答えるでしょう.自分の書いたものとボスが書いたものは,内容は同じであってもやはりボスが書いた方がとても素敵に見えました.おかげでものすごく勉強になりました.

2008年3月11日火曜日

オランウータンゲノム


http://genome.ucsc.edu/cgi-bin/hgGateway?hgsid=104784180&clade=vertebrate&org=Orangutan&db=0

昨日データベースを見て中途半端にデータが載っていたので「おや?」と思っていましたが,本日正式にリリースされたようです.6倍の重複度なので悪くないのではないでしょうか.どんどん霊長類のゲノムが増えていくので,いろいろと面白いことがわかってきそうです.あとはゴリラ,テナガザル,新世界ザル(マーモセット),メガネザルが順番を待っています.

オランウータンの学名について以前尋ねられたことがあります.最近はスマトラのオランウータンをPongo pygmaeus abeliiという亜種ではなくPongo abeliiと別種にするような記載があります.しかし,NCBIでは以前から
Pongo pygmaeus abeliiで統一されているようです.したがって今回のゲノム配列はPongo pygmaeus abeliiに入っています.混乱しますね.

2008年3月1日土曜日

未来の論文

木,金曜日と葉山の総研大でのセミナーに参加してまいりました.

初めて行ったので,交通の不便さにはびっくりしましたが,こ綺麗な建物で周りの環境も良く,研究に専念するには良い環境だと感じました.日本では数少ないEvolutionをフォーカスを絞ったDepartmentなので羨ましい限り.

発表の内容も自分が専門の部分に関しては素晴らしいスピーカーが来てくれたので刺激がありました.準備・招待してくれた方々に感謝です.

さて,タイトルは小ネタ.帰ってきて少し気になったことがあったのでGoogle Scolarを漁っていて見つけた論文.

リストの一番上.

なぜか発行が2019年に...


2008年3月3日追記

2010-2099の論文で検索するとこんなことに.キュレーションがない欠点ですね.