2012年10月5日金曜日

Retractionの基準

PLOSのブログ記事より

http://blogs.plos.org/speakingofmedicine/2012/09/25/the-role-of-retractions-in-correcting-the-scientific-literature/

PLOS MedicineとPathogenのエディターが最近あったリトラクションの例をあげて次のように述べています.

"We work with authors (through communication with the corresponding author) to publish corrections if we find parts of articles to be inaccurate. If a paper’s major conclusions are shown to be wrong we will retract the paper."

明らかな不正があった場合は議論の余地はありませんが,著者の意図に反する不幸なエラーがあった場合に必ずしも論文を取り下げなければいけないかは判断が難しいところです.

あげられているXMRVというウィルスの例では,ラボでのコンタミが原因だったということで取り下げになりました.社会的なインパクトも大きくかつ原因がお粗末な場合はリトラクションは仕方のないことかもしれませんが,単なる間違いの論文をすべて取り下げるような表現はどうかと思います.

個人的には,間違いの程度によっては訂正記事もしくは論文を載せれば十分で,必ずしも記録を抹消しなければいけないことはないのではと思います.間違いを決して認めない著者が有利になるだけではないでしょうか.

訂正記事があったときに,別のジャーナルであってもわかりやすい注釈がつくようなシステムがあればよいのですが.

2012年10月4日木曜日

読んだのか?

実に2469本の論文が引用されているレビューです.どこかに世界記録があるのでしょう.

http://www.biomedcentral.com/1755-8794/2/2


2012年10月2日火曜日

本棚:JBSホールデン

両方ともかなり古い本ですが,かの有名なホールデン先生に関する本です.一冊は伝記,もう一冊は一般向けの生物学に関する話題を集めたものです.

一般向けの本のほうは今となっては取り立てて面白いところは無いのですが,内容は非常にわかりやすく,生命科学について,進化についてまとめられています.その一方,伝記の内容はすばらしく濃いです.そして長いです.

彼の半生については断片的に聞きかじって知っていたのですが,おそらくこれ以上詳しい伝記は見つからないのではと思います.遺伝学者としてのホールデンだけでなく,自己犠牲的な人体実験,戦争での勇敢さ,権力との戦い,共産主義への傾倒などの事柄が時系列に沿って仔細に述べられています.彼の本質は何だったのかというといろいろと疑問もわいてきますが,一人の人間がこれだけ波乱万丈の人生を送られるのかという驚きがあります.
 
 

2012年10月1日月曜日

バックアップの大切さ

先週は遺伝学会には出られず,台湾に一週間ほど滞在していました.台南の成功大学でのシンポジウムに加えて,3000m級の山での野外調査(3000mを越えた山でも気軽にドライブで行けます),台北ではアカデミアシニカ(中央研究院)を訪ねました.

さて,戻ってくるとメインで使っているワークステーションのHDDが壊れていました.実は1ヶ月ほど前に同じPCの別のドライブが壊れて交換してもらったばっかりです.残り二つもそのうち逝ってしまわないか心配です.

大事なデータのバックアップは常にとっておくことが重要だと改めて感じました.