2013年12月3日火曜日

著者の値段

Science誌に中国での論文著者の売買について踏み込んだ記事がありました.

China's Publication Bazaar

お金を払えば既にパブリケーションが確実な論文の共著者に加えてもらえるというサービスがたくさん存在するようです.

他にも,

データを渡せば論文を書いてくれる
データが全くなくても論文を書いてくれる
ある会社にお金を払えば,あるジャーナルに確実にアクセプトされる

などとやりたい放題のようです.データがないのに論文を書くのは気が咎める,という人にはレビューやメタ解析の論文を代筆してくれるという心配りがたまりません.

中国でこのようなことが横行している原因の一つは,採用や昇進に関してインパクトファクター若しくはSCIジャーナル至上主義が蔓延しているためであるとしています.

論文代筆は日本でも聞いたことがありますが,もし論文の中で代筆について適切に述べられていなければ不正であると考えられます.科学者がお金を払って論文を書いてもらうことについては,比較的害は少ないと言えますが,製薬企業などが自ら代筆を行い,その身元を隠ぺいする場合については重大な嫌疑がかけられます.とりもなおさず,著者に関してはギフトオーサーシップの排除を含め,公正明大にやらなければいけないということでしょう.

ちなみに,最近では論文校正を企業にしてもらった場合でも謝辞に記すべしという動きもあるようです.