2008年4月15日火曜日

Journal@rchive

最近はJ-STAGEなどで日本の雑誌のPDFも読めたりしますが,Journal@rchiveというのはさらに上を行っています.日本の科学雑誌で古いものを中心にPDF化しているようです.

遺伝学雑誌なんて,1921年,大正10年の創刊号から読めてしまいます.OCRで読んでいるので文字も鮮明です.同じく歴史が古い人類学雑誌も最初から読めます.人類学なんてのは埋もれてしまった貴重なデータなどがあるのではないでしょうか.

流し読みをしていて気に入った,曾田龍雄博士の論文.確かメダカかゼブラフィッシュの体色はいくつか遺伝子が同定されていますよね.結果を比べてみると面白いかもしれません.

肝心の論文は,出だしは格調が高い割には哀愁が漂っています.念のため書いておきますが,これは学術論文です.以下引用(一部漢字は現代漢字に変更).

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「めだか」の体色の遺伝現象

予が「めだか」に就いて体色遺伝の実験を始めたのは大正二年で爾来年月を経過すること八星霜,随分永い間にも拘わらず得た結果は貧弱である.

これは元より予の菲才の然らしむる所であるが,一つには実験が住宅の片隅の数坪の空き地で小規模で行われ,水槽の如きも四十許の少数なのに因るので,若し大仕掛けで行ふことが出来たのであつたならば同様の結果を二三年は早く得たことと思ふ.