進化に関する説は諸説ありすぎてすべてはフォローしきれていないのですが,不均衡進化理論という言葉をたまたまネットの検索で発見しました.
本を読まずに批判するのもなんですが,ラギング鎖とリーディング鎖の突然変異率の違いが理論の基本となっているようです.ただ,不均一な突然変異率自体は新しい考えではなく,1987年のWu & MaedaのNatureの論文でこれは既に発見されていますし,複製起点を発見するために用いられるGC skew plotなんかもこれをもとにしています.
それから,突然変異がランダムに起こるというのと均一に起こるというのは意味がまったく違うと思います.ゲノムのどの場所にも同じ確率で突然変異が起こると考えている遺伝学者は今は皆無でしょう.
ランダム性というのは量子力学や熱力学で使われているのと同じ意味で使っているわけです.巨視的にみると必然的に動いているが,個々の要素を取り出してみるとその挙動は予測不能であるということを指してランダムと呼んでいるのではないでしょうか.いくら変異率が上がってもやはり突然変異自体はランダムであると思います.