2012年10月2日火曜日

本棚:JBSホールデン

両方ともかなり古い本ですが,かの有名なホールデン先生に関する本です.一冊は伝記,もう一冊は一般向けの生物学に関する話題を集めたものです.

一般向けの本のほうは今となっては取り立てて面白いところは無いのですが,内容は非常にわかりやすく,生命科学について,進化についてまとめられています.その一方,伝記の内容はすばらしく濃いです.そして長いです.

彼の半生については断片的に聞きかじって知っていたのですが,おそらくこれ以上詳しい伝記は見つからないのではと思います.遺伝学者としてのホールデンだけでなく,自己犠牲的な人体実験,戦争での勇敢さ,権力との戦い,共産主義への傾倒などの事柄が時系列に沿って仔細に述べられています.彼の本質は何だったのかというといろいろと疑問もわいてきますが,一人の人間がこれだけ波乱万丈の人生を送られるのかという驚きがあります.