最近更新をサボっていましたので,SMBEへ行く機内の中で読んだ同じタイトルの二冊です.
両方とも確率論を基礎に,偶然とは何か,そもそも偶然はこの世の中に存在するのかといったような哲学的な問いに答えようとしていきます.同じテーマの本を同時に何冊か読むのは,著者の考え方の違いや細かい内容の違いまでわかるのでとても勉強になります.
一冊目の本は日本人の著者によるもので,より哲学的な思弁が多いのに対し,二冊目は欧米人の著者で,北欧神話を題材とした詩的な表現やアルゴリズムやカオス理論,ゲーム理論など現実的な話題を中心に話が組み立てられています.
細かな違いはありますが,どちらの本でも偶然とは「観察データの不足(精度と次元数)もしくは理論の不完全さにより決定論的に予測不能であること」という考えを基にしています.普段何気なく使っている偶然という言葉や確率論の基礎にもいろいろと深い意味があることに気づかされます.