2007年3月1日木曜日

ヒトとサルの種分化 - 3

前回の続き。

極めて短い時間に種分化した三種の関係を考えてみます。これにあてはまる例はヒトーチンパンジーーゴリラの関係です。図Aの太い枝分かれは種の系統樹を示しています。赤、青、緑の線は、DNAの系統樹を示しています(genealogy)。二回の種分化が比較的短い時間に起きると、祖先集団の多型により、DNAの系統樹は種の系統樹とは違ってくることがあります(青と緑の線)。この確率は二つの種分化の間の時間(T)が短いほど、祖先集団の多型が多いほど(集団サイズNeが大きいほど)高くなることが直感的にもわかりますし、理論的にも示されています。

したがって、私たちのゲノムを見た場合には、Bの図のようにヒトとチンパンジーがもっとも近い領域(赤)、ヒトとゴリラがもっとも近い領域(緑)、チンパンジーとゴリラがもっとも近い領域(青)がモザイク状になっていると考えることができます。ヒトともっとも近い種はチンパンジーと言われていますが、それは種という概念によるもので、ゲノムの構成要素をみていくとより複雑に構成されていることがわかります。

つづく。