2007年10月18日木曜日

ネアンデルタール人はもっと東にもいた

Neanderthals in central Asia and Siberia

南シベリアや中央アジアから出土した骨がネアンデルタール人である証拠が得られ,彼らが住んでいたと思われる地域が広がった,という内容の論文です.

結論はともかく,面白いのは方法です.これまでの研究ではネアンデルタール人であるという形態的な特徴を持つ骨からDNAを抽出し,彼らが現代人とどのような関係にあるかが議論されてきました.ところがこの論文は断片的なために形態からネアンデルタール人と断定できない骨からミトコンドリアDNAを増幅し,ネアンデルタール人であることを示しました.

面白い発想ですが,前提(ネアンデルタール人と現生人類の間に交雑は無かった)の上に成り立っている話なので注意が必要です.大変な仕事だろうと思いますが,古代のDNA解析が進むと色々新しいことがわかりそうで面白いですね.