2007年10月29日月曜日

論文取り下げについて

http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2007061647266

実際の記事は読んでいないですが,サイエンスの論文を取り下げた教授の反論コメントです.

ひとつ間違っているのは,不十分なデータから強引に結論を出すことと,そのあと裏が取れる実験ができたことは別のことです.論文とは,正確性の高いデータからどのように妥当な結論を導き出すかという過程を問われるものであって,その結論が真であるかどうかについての責任はありません.完全な真実などわかるわけがないのですから.

もし間違ったことを言っているのがわかった論文をすべて取り下げなければいけないとしたら,歴史的な過去の論文の多くも取り下げられなければいけないでしょう.100年後に正しいと認められた論文は歴史に残りますが,100年後になってみると間違っていた論文など星の数ほどもあります.

実際に結論が真実であるかどうかは別として,その過程に問題があると指摘されているのですから,問題は論文の中にこそあるのでしょう.捏造に対しては著者がすべての責任を負うでしょうけれども,ずさんなデータを通したのは雑誌サイドの責任も含まれていると思います.