2008年8月20日水曜日

本棚:フェルマーの最終定理

最近になって文庫本が出たようなので紹介いたします.

一度は名前を聞いたことがある数学の定理,それが最近になってある数学者に解かれるまでの仮定をドラマチックに描いた作品です.こういった分野は数学でも数論という分野に入るのですが,ピタゴラスの時代からの数論にまつわる話題を絡めながら,問題解決までの長い道のりが非常に読みやすくまとめられています.

数学者というと我々自然科学者から見ても遠くにいる存在ですが,彼らの考えや研究生活が生き生きと伝わってくるところが面白いです.また,こういった一見単純そうな定理であっても,沢山の人が少しずつ少しずつ回り道をしながら最終的な証明に近づいてきたというのが良いところです.

証明過程に日本の数学者が深くかかわっていたところは全く知らなかったことなので勉強にもなりました.数学だけはもっと大学で勉強しておけばよかったと今になって悔やんでいます.

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)