2009年11月19日木曜日

研究費の見直し2

朝日新聞より「計算基礎科学コンソーシアム」のコメント,

--

「実験や観測で調べることのできない領域を探索する唯一の方法は、スパコンを使ったシミュレーション」

--

唯一の方法かどうかは別として,この主張は理解できます.スパコンが要らないと思っている人はほとんどいないでしょう.しかし,事業費が適切に使われていたのか,事業がきちんと進んだのか,そもそも最初の計画に無理はなかったのかについての説明にはなっていません.「事業中止=スパコンの開発中止」ではないはずです.

本来は失敗した事業は取りやめて,トップに責任を取らせ,改めてスパコン事業を展開すべきだと思います.しかし,日本のシステムでは一度失敗した事業はそのままお蔵入りになってしまう可能性も高いです.失敗したプロジェクトは責任の所在をはっきりさせてスッパリ解散させることが必要ではないでしょうか.

何が失敗で何が成功だったのかを決める研究成果の評価は確かに難しいです.費用対効果なんてものでは測れませんし,研究の成功の度合いを如何に客観的に評価するかが問題であるでしょう.論文の数だけで評価というのも色々と弊害がありそうです.一番マシなのは論文のピア・レビューのような,匿名性のある同業者の評価ではないかと思います.

今回を良い機会として,研究費のシステムを大きくつくりかえたほうがよいのではないでしょうか.