2008年11月13日木曜日

論文投稿用画像の解像度

最近立て続けにこの問題について聞かれたので,自分のやり方を少しメモ.

僕は基本的にイラストレーターとフォトショップの黄金コンビで作図をしています.最近は実験の写真をほとんど使わないのでイラストレーター一択です.

雑誌が受け付けるフォーマットでメジャーなのはTIFF,PDF,EPSでしょうか.TIFFはビットマップデータなので情報は点が集まった画像として扱われますが,EPSはベクトルデータなので元の形の情報がすべて含まれています.PDFは場合により両方の情報を含みます.

実際の論文では図の大きさは9cm(シングルカラム)か18cm(ダブルカラム)の幅で表示されることが多いかと思いますが,作図をするときに最初から実寸でつくってしまうと非常にやりにくいと思います.また,論文のレビュー段階では画像の大きさの制限はないので,A4いっぱいの画像を編集している人も多いかと思います.

PDFとEPSは便利なのですが,環境によって不具合が起こる可能性があります.なのでTIFFが一番確実なフォーマットだと思います.主要なドローソフトはTIFFへの書き出しに対応しているはずです.しかし,TIFFの画像を奇麗に印刷するには高い解像度(ふつうは600dpi程度,場合によっては1000dpi)が必要です.ところが,A4いっぱいにつくった画像を600dpiのTIFFに変換するとものすごい大きなファイルになってしまいます.

解決策としては,アートワークを原寸大に縮小してから高解像度のTIFFに書き出す.それかいったん高解像度のTIFFにしたのち,フォトショップで開いて印刷サイズを設定する.フォトショップだと解像度と印刷サイズを同時に変更できるのでとても便利です.

ほかにもいろいろやり方はあると思いますが,僕はこんな感じでやってます.印刷物がしっかりしているような雑誌だと編集者がかなり念入りにアートワークをいじってくれますが,最近流行りのオープンアクセス雑誌は編集がかなりいい加減なものもあり,きちんとこちらで印刷サイズを指定してあげないと論文のPDFファイルの見栄えが悪くなってしまうと思います.