http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2009/420/1
タイトルをみてびっくり,どうしてマンモスのゲノムシークエンスから病気の遺伝子がわかるのでしょうか?
と思ったら,「巨大な」という意味のマンモスでした.紛らわしいですね.
それはさておき,X染色体上に精神遅滞に関する遺伝子が多いことは昔から言われていました.面白い仮説に,Male-drivenな精神進化という仮説があります.
1.X染色体上には精神遅滞の原因となる遺伝子が多い.
2.X染色体上の遺伝子は雄ではハプロイドであるため,遺伝子型が劣勢である場合に表現型に表れやすい.
3.男性のIQの幅(分散)は女性よりも広い.
上の三つは1番がきちんと示されれば(とはいえここが一番怪しいのですが),残りはリーズナブルな説明であると思います.つまり,男性のIQの幅はX染色体上の遺伝子によって決定されているのだと.さらに話を進めると,精神や行動にかかわる遺伝子の多型は男性に表れる表現型によって選択され,また,それが促進されるような社会構造を人類は持っている,と.
X染色体が本当に精神に関して相対的に重要な役割を示すのか,これから色々と研究が進めばわかってくることも多いでしょう.どこかでちゃんとした論文も読んだことがあるのですが10年以上前のことなので出典は失念しました.