Double-blind review favours increased representation of female authors
論文の査読のときに,査読者に著者の名前を知らせないシステムをダブルブラインドの査読システムといいます.実際にこれを行なっている雑誌は一般的な生物学の雑誌では少ないと思います.普通は査読者は誰が書いた論文かを知った上で評価します.
明らかにダブルブラインドの方が公正な判断ができるにも関わらず,著者の名前が知らされる理由としては,
1) 研究のバックグラウンド(著者の過去の研究)について査読者がよく知ることができる.
2) 著者の信頼性の担保のため(あいつならこのデータは安心だろうという身内的な判断ができる).
3) そもそも匿名にしても,読む人が読めば誰が書いたか想像がつくし,ついつい想像してしまう.
あとは何かありますかね.まあ,他にも色々とあるでしょう.
しかし,ダブルブラインドを取り入れると女性の著者の割合が他の雑誌に比べて上がったというのが上のレポートです.知らないうちに性別で差別されてリジェクトされる確率が上がっているということでしょうか.日本では特に女性の研究者は少なく,肩身の狭い思いを強いられているかもしれません.
それ以上に研究者の世界で偏っているのは社会層,例えばアフロアメリカンの研究者が少ないことでしょうか.もともと大学に進む割合も低いでしょうし,優秀な人は大学なんかじゃなくてよりお金になる仕事を選ぶのでしょう.生物でも医学や薬学は比較的色々な人種の研究者がいるとは思います.映画とかでも黒人の弁護士とか医者はたくさん出てくるけど,大学の先生は白人男性が多いですね.
2008年1月24日追記
Gender Differences: Need More Data!
僕はちゃんとしたデータを見ていないでコメントをしたのですが,他の雑誌でも女性の著者の割合が上がっているのでそれと比べて有意差は見いだせないだろうという反論です.グラフを見る限りそう見えますね.データを見ることは大事だと改めて勉強になります.