2008年1月4日金曜日

A genetic legacy from archaic Homo

Evidence that the adaptive allele of the brain size gene microcephalin introgressed into Homo sapiens from an archaic Homo lineage
A genetic legacy from archaic Homo

個人的には半信半疑なのでコメントは避けますが,面白い可能性なので要旨の日本語訳だけでも.MCPH1対立遺伝子が古人類から遺伝子流入(introgression)したというPNAS論文の(上)流れです.やや補足しながらの訳.

現生人類に対する化石人類の遺伝的な貢献は謎である.古人類は生物学的に現生人類に似ていて,時代的にも地理的にも接触が頻繁にあったと考えられている,そのため二つの過去の集団に交雑があった可能性がある.これら二つの集団は系統的には別なものの,有利な対立遺伝子が片方の集団からもう片方に伝わる可能性がある.もし流入した遺伝子が選択上有利であるなら,交雑がまれであってもその遺伝子はもう一方の集団で広がったり固定したりするだろう.脳の発達に関わるマイクロセファリン遺伝子など,幾つかの遺伝子がこういった古人類からの遺伝子流入を起こした候補として挙げられる.この例は,ヒトの認知能力の一部はネアンデルタール人のような過去の古人類集団から受け継いだものであることを示唆しているかもしれない.