Natureに掲載された日本ポスドク事情記事.
http://www.nature.com/naturejobs/2008/080207/full/nj7179-742b.html
3分の2はポスドクを続けてそうじゃない人の8割は研究職(R&D職)についているという内容です.生物系とは限っていません.真意は読めませんが,もっと多様な進路をということでしょうか.
3分の1の8割ってことは4分の1くらいは職を見つけているということでずいぶん多く感じますが,所謂アカデミックなポストはどれくらいあるのでしょうか.
大学の若手のポストについて任期があるのは仕方ないですが,僕がずっと主張しているのは,アメリカ式に助教を全部PI(ラボのボス)にしなさいということです.中には実質的に独立している方もたくさんいるでしょうけれども.
大学全体のポストは増やせなくても,独立したラボの数は増やせるはずです.研究スペースと研究費獲得が相対的に厳しくなるのは覚悟しなければいけませんが.
興味深いのは,別の記事で海外から見た日本の事情の解説の中で,日本の「論文博士」制度を紹介しているのですが(企業がPhDを採用しない現状の原因の一つとして),
--引用--
Raymond Price, now a manager at the biotech firm Acucela in Bothell, Washington, says that the Japanese drug firm he worked for in Osaka had only two other PhDs in a neuroscience research group of 20 scientists. And those two had earned their doctorates while working for the company, through the 'paper PhD' system, which allows industry scientists to submit their company research as their thesis — almost unheard of in the West.
--終わり--
「paper phD」はひどい訳に聞こえます.しかし,海外から見ればおかしな制度に映るのでしょう.