2009年7月23日木曜日

クマの雑種

クマ亜科には6種が存在します.ツキノワグマ,ヒグマ(グリズリー),ホッキョクグマは日本でも有名だと思いますが,ホッキョクグマとヒグマで雑種ができるというのを最近知りました.色だけでなく,形態的にも結構な違いがあると思います.

地球温暖化で生息域が重なったせいだという説もありますが,過去にも例が見つかっていますし,断定するにはもう少し例証がいるかと思います.

右の図は雑種を形成できる種のペアを示したものですが,ヒグマだけいろんな種と交雑を起こす可能性があるようです.氷河期と間氷期の移り変わりではより多くの交雑があったでしょう.

交雑が起こるのに種の特徴が保たれているのは何故なのか.雑種のクリーム色のクマは妊性があったとしても氷の世界にも陸地の世界にも適応できなく,F2世代以降で環境に適応的でない遺伝子は選択されて除かれていくでしょう.種の形成の時に雑種の不稔性にだけ注目する研究も多いですが,やはり,雑種の表現型の適応度も重要なのだと思います.

図はWikipediaより.